養子縁組の効果効能 ~ 基礎控除が増えるだけじゃない

相続税は累進課税
適用税率を下げるメリットが大きい

相談者K岡氏
「養子縁組したら、相続税対策になるって聞いたんやけど。」

税理士O
「はい、相続税の計算上は実子がいらっしゃる場合は1名、いらっしゃらない場合は2名まで相続人としてカウントされます。」

相談者K岡氏
「ひとり養子縁組しても、600万円基礎控除が増えるだけなんやろ?
そのメリットって、600万円の10%で60万円くらいのものなんじゃないん?
60万円でわざわざ養子縁組するのはタイソ―やなあ。」

税理士O
「いえ、K岡さんそれだけじゃあないんですよ。
遺産の額にもよりますが、メリットは単に基礎控除が増えるだけではないのですね。
遺産の額から基礎控除した後の額を”法定相続分で割った額”に税率を適用するというところが大きいんですよ。」

相談者K岡氏
「??例を挙げて、説明してくれんの?」

税理士O
「はいはい、例えばですね・・・」


財産1億円/配偶者なし/子1名 の場合の通常の相続税額の計算
  
(財産)1億円 - (基礎控除)3,600万円 = 6,400万円
      
6,400万円 × (税率)30% - 700万円 = (税額)1,220万円

「これが、ひとり養子さんを迎えることによってですね・・・」


(財産)1億円 - (基礎控除)4,200万円 = 5,800万円
     
5,800万円 ÷ (法定相続人数)2名 = 2,900万円 ☜ここがミソ

2,900万円 × (税率)15% - 50万円 = 385万円

385万円 × (法定相続人数)2名 = (税額)770万円

「このように、税率が30%から15%に緩和されますので、結果として450万円の節税効果があります。」

相談者K岡氏
「えっ!そんなに!結構デカイなあ。孫を養子にするか考えて見よかの~」

税理士O
「K岡さん、お孫さんを養子にした場合、お孫さんにかかる相続税額は2割増しになるという規定がありますのでその点ご注意ください。
それに、実子の法定相続分が減ってしまうというのも事実ですので、ケースに応じてご親族みなさんで慎重にご検討されることをおすすめします。」