相続税財産評価 貸家建付地の評価単位 アパートが数棟建っている一団の宅地の評価
よく見かける2~3階建てのアパートや、戸建ての貸家。街中でも郊外でもよく見かけますよね。これは相続税対策のために建てたものかな等々よく考えたりします。
貸家の土地の評価区分(評価単位)はどのように判断するのでしょうか。
☞ 倍率地域の宅地評価の落とし穴~相続税評価と固定資産税評価の評価単位の相違点について
一体か別々か
I泉税理士「O田先生~こんにちは、うちの関与先に戸建の貸家を3棟持っとるお客さんがいてね~」
O田税理士「戸建ての貸家が3棟あるんですね。」
I泉税理士「そう、この前そのオーナーさん亡くなって相続の申告が必要なんだよ。」
O田税理士「そうですか。貸家ごとの境界はどうなっていますか。」
I泉税理士「一棟ごとにブロック塀で区切られますよ。」
O田税理士「そうなりますと、貸家が建っている宅地の評価の区分は区切られた貸家の棟ごとに評価するようになります。」
O田税理士「図の網掛け部分のように、各建物ごとの敷地に分けてそれぞれの区画で評価するようになります。」
I泉税理士「全部貸家だからといって、ひとつにまとめて評価する訳じゃないんだね。」
O田税理士「そうです。一棟の建物の借主が持つ借家権が及ぶ範囲ごとに評価することとされています。土地の利用の区分としては、”貸家建付地(かしやたてつけち)”といいます。」
I泉税理士「これ、貸家と貸家の境目がはっきりしてなかったらどうするの?」
境界がはっきりしない場合
O田税理士「図の事例では各貸家の境界(点線部分)には塀などがあって明確に区分されているようになっています。でも、実際昭和年代の戸建ての貸家などは、境目がはっきりしない場合も多いですよね。」
I泉税理士「そうそう、もうだいぶ減ったけど木造平屋の貸家が並んどることがあるよね。」
O田税理士「そのような場合はケースバイケースで個別事情をよく確認して、合理的に分けるしかないでしょうね。共用となっている部分があるならそこは各貸家の床面積で按分するなどの方法で合理的に区分して、説明がつくように評価すればいいと思います。」
使用貸借の場合 ☞ タダで借りている土地に貸家がある場合~貸家建付地の評価