名義借り財産と遺産分割~名義株のおはなし

相続財産の分割で、特に重要な前提条件は相続人の確定と、相続すべき遺産を確定することです。

そのうち遺産の確定において問題となるのは、
被相続人がその資金を出した財産のうち、
被相続人以外の名義となっているいわゆる
名義借り財産です。

相続税の税務調査においては、
特に名義預金、名義株が問題となるシーンがたびたびあります。

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名義株と判定されてしまうケース

相談者K岡氏
「センセイ~こないだ亡くなったうちの嫁さんの親父さんの財産の話なんやけど。
だいぶん前に嫁さんの名前で親父さんが買うてくれとった上場株があるんよ。」

税理士O田
「なるほど。その上場株式の管理は奥様がされていたのですか?」

相談者K岡氏
「いや~株券の電子化の時に、株券を証券会社に持って行ったきり管理言うもんは特にしてないな。ほったらかし。」

税理士O田
「その株式の配当金の受取りはどのようにされていましたか?」

相談者K岡氏
「配当金の通知は嫁さん宛てに届いとったな。」

税理士O田「そうですか~購入資金は奥様のお父様が出されて、一応の管理は奥様がされていたということですね。税務署が名義株と判断する要素としてはですね・・・


  1. 株式を取得した経過と名義を使った理由と目的
  2. 株式の取得資金の資金の贈与があったかどうか
  3. 名義人が贈与税の申告をしているか
  4. 株式の管理者と管理の状況
  5. 株式にかかる配当金の受領者、配当金の申告状況
  6. 名義人が株式を自分のものと認識していたかどうか

・・・等々これらの状況を確認したうえで、それらの基になる資料を集めて事実関係を吟味して判断することになります。」